猫が来る!

The Cat coming!

東大二外事情2020

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公益財団法人東京大学新聞社 企画・編集・発行「東大2021 東大/主義」2020年

(本文中の画像および数値は、特に注記等ない限り、上記および同財団企画・編集・発行「東大2020」「東大2019」「東大2018」「東大2017」によるものです。)

 

知らないうちに、「東大2021」が発売されていたので、私のブログで唯一対外的な価値がある記事である「東大二外事情」を更新することにしました。

過去の記事はこちら。

cr0226.hatenadiary.org

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はじめに

この記事は、単に私が東大生の選ぶ初修外国語、いわゆる「二外」の人数をつらつら並べて、特段根拠のない推測や感想を述べるだけの記事です。

私の感想自体には大した価値はありませんが、将来的に何かのきっかけで10年20年後に、この記事が発見された時に「あの頃は東大生はこんな外国語を選択していたんだ」とその時代や他大学との比較のキッカケになると、多分何かしら時代を反映する資料になるのではないかという気がします。

なお、私自身はXX年前に、文1ドイツ語クラスだったので、ドイツ語勝手に応援プロジェクトですし、その次はフランス語を応援しています。

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上記の書籍にこのように出版年の1年前の年次の科類ごとの語学選択人数が掲載されていますので、それをひたすらエクセルに打ち込んでいるだけです。

まとめ表は画像化しています。PCでの閲覧を推奨しています。画像が横長になってきて、PCでもやや見づらいかもしれません。

転記ミスやエクセルの数式ずれなどがあるかもしれません。転記ミスや数式ミスがあった場合は、当然に私の責任です。

その時の気分で「ドイツ語」「ドイ語」、「フランス語」「フラ語」、「中国語」「チャイ語」、「スペイン語」「スペ語」と適当に書いていますので、あまり使い分けに意味はありません。

単年の状況と科類ごとの推移

2019年度入学者の選択状況です。

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科類ごとの4か年推移です。

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文1についてです。

にわかには信じがたいのですが、文1でドイツ語が同数3位になっています。しかも、ここ4年間ドイツ語比率が上昇基調です。

また中国語に押されていたフランス語が1位に返り咲きです。

文類の中でもいわゆる古典的な二外を選択する人が多い文1ですが、単年度ではフラ語+ドイ語で、チャイ語+スぺ語の人数を超えてしまっています。

いわゆる実利よりも学問的な興味関心の高い人がフラ語やドイ語を選ぶ傾向にあると勝手に思っているのですが、この年度は文1よりも文2の合格者の方が、平均点も最低点も最高点も高かった年度です。学問的興味関心が高い人が多かった結果、入試の点数が低かった、ということになるのでしょうか(暴言)。

 

逆に文2では、フラ語+ドイ語選択者の割合が4年間で一番低くなっています。スぺ語はもとから多かったですが、チャイ語がじわじわ増えてきています。more and moreです。多分この世代だと、ある程度世界経済に興味関心を持ち始めた時には、もう中国は僅差でなく世界2位の経済国になっていた頃だと思いますし。

低下基調にあったスぺ語が回復したのは、文2から経済学部に進学できる人がかなり絞られてきている、ということもあって、進学振り分けに不利そうな言語を回避する傾向が高まってきているのかもしれません。

 

文3では、フラ語がスぺ語に僅差で首位を明け渡しています。女子人数ではまだ1位ですが、この調子だと理1男子から羨望?されるのが、文3フラ語クラスではなく、文3スぺ語クラスになる日がくるかもしれません。でもクラス内の男女比だとチャイ語の方が高い状況はまだ続きそうです。

 

理1については、文2同様に中国語選択者が増えてきている印象です。これに関しては、多分日本で研究者やいわゆる理系就職するより、アメリカや中国で働いたり研究したりする方が、金銭的にも研究開発環境的にも、圧倒的によい状態になる、と若い人がイメージしている、ということではないでしょうか。チャイ語に関してこの傾向が長期化するかは分かりませんが、長期化するのであれば、小手先の学者叩き(時流に乗る)で溜飲を下げたところで、頭脳流出は止められないような気がします。最近の駒場の状況は分からないので、もし単に進学振り分けの関係で点数の取りやすい言語を選んでいるというだけであれば、まだマシなのかもしれません。

フラ語やドイ語は、うん、今後も逓減すると思います。

 

理2は、正直傾向があるのかないのか、あるとしてどういう理由によるものか、よく分かりません。前回も書きましたが、知り合いもあまりいなかったし。

 

理3は人数が少ないので、すぐ比率に大きな影響が出てしまうのですが、スぺ語が急増しているのはなぜなのでしょう。基本的に、私の勝手な仮説だと、理3は今までフラ語、ドイ語の比率が高すぎたので、あるべき状態に戻ってきているのかもしれません。

 

まとめ

単に全部足しただけです。

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どちらかというと、足すことでむしろ傾向が分かりにくくなっているような気もします。

ただもう昔ながらの理系男子はドイツ語選択なんてのは、通用しない時代ですし、文系学部についても同様です。

ドイツ語やフランス語の単語を使ったアニメや漫画が減って、スペイン語や中国語が増えてくるかもしれません。スぺ語をおしゃれに使いこなした某ジャンプ漫画はむしろ時代を読んでいたからこそヒットしたのではないでしょうか(雑)。

 

2020年の語学選択状況について、オンライン授業が前提となることで、これまでとは異なる傾向が出てくるのか、それ以降についても若い人の何かしら価値観の変化が反映されるのか分かりませんが、東大新聞社が東大XXXXシリーズに語学選択者人数を掲載してくれる限りは年に1回続けようかと思います。