猫が来る!

The Cat coming!

東大二外事情

センター試験も終わって、少しの間、受験関係の話も落ち着いている時期に、ひっそり上げます。画像はPC推奨です。

 

はじめに

 大学生の第二外国語として何語が人気なのか、について、具体的な数字を基に語っているWebはあまりないようです。

例えば

本当にその言語でいいですか?気になる第二外国語のウワサ(学業)|t-news

を見ると(2020/01閲覧)、2012頃に700名強の大学生のアンケートをとった結果が出ています。

中国語人気は何となくわかりますが、ドイツ語が2位というのは、なんか直感的におかしいような気もします(私自身はドイツ語選択でしたが)。

また、

[入門駒場ライフ] 第二外国語について|受験生・新入生応援サイト2018|東京大学消費生活協同組合

では(2020/01閲覧)、2017年度の東大生の第二外国語選択状況が見れます。

XX年前、東京大学に通っていた自分としては、こちらの方がなんとなくしっくりきますが、自分の頃と比べると、やはり中国語選択者が相当増えているような感覚があります。

ただ、自分が通っていた頃や他大学と比較できる基となるデータはあまりないようです。

そこで、自分の頃との比較はあっさりあきらめましたが、東京大学新聞社が毎年発行している「東大XXXX」(XXXX部分は西暦ベースに毎年変わります)に基づき、最近の東大生の第二外国語選択状況についてまとめて、状況等について簡単に考察、感想を書いてみます。

20年後くらいまではてなブログの運営が続いた結果、今の自分と同じような興味関心を持った人の比較検討材料になって、未来の人がそのころの状況をまとめてくれて、最近はこんな言語が人気なんだな、と老後の楽しみができることを祈っています。

※以下の数値の出典は、公益財団法人東京大学新聞社 東大2018、2019、2020。

 転記ミス、エクセルの数式ミス等があれば、コメントやtwitter等でご指摘ください。

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科類ごとの選択状況

ここ数年間の各科類ごとの選択状況は以下の通りです。

(各年次合計は後で)

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ここ3年間程度では、各科類ごとの選択割合がそこまで大きく動く、ということもないようです。全般的な傾向としてはやはり中国語が多いというのが個人的な感想です。

自分は文1だったのですが、かつては我らドイツ語選択者がもう少し多かったような気します。今ではすっかり小勢力になってしまいました。ただ今はなき学士助手制度に関して言うと、自分と同じ年度の入学者だと、知っているだけで学士助手になった5人がドイツ語選択者だったのでした。日本で法学を学ぶ以上はドイツ語かフランス語、という人が自分の頃は多かったような印象があります。今現在、法学の研究者を目指すような東大文1の層と語学選択に何か傾向はあったりするのでしょうか。ただ今日でも中国語と均衡するくらいフランス語選択者がいるあたり、文1に入る方は東大の中でもやはり欧州的学問に価値を見出している方が多いように感じます。

文2については、スペイン語選択者の多さが目立ちます。当時の駒場ではスペイン語は単位が楽、と言われていましたが、今でも言われているのでしょうか。最近は文2も駒場時代の単位が厳しくなったと聞きますが、老害世代としては、やはり楽な単位を選ぶ人が多いからスペイン語選択者が多いのか、という歪んだ感想を抱いてしまいます。ただなんやかんやで東大って、将来国際的な機関などで活躍するために使用人口や使用している範囲の広さ等でスペイン語を選ぶ人も結構いるので、そういう人も相当含んだ結果だと思います。

文3フラ語は今でも多いという印象です。ただXX年前より、やはり中国語に押されているようです。文3だと二番手として中国とスペインが拮抗しています。文3女子といえばフラ語、というイメージもありますが、同時に上で書いたような国連等で働きたいからスペイン語、みたいな女子も結構いたような記憶があります。

理1については、勉強会系サークルと合わせて、オタ系サークルに所属していた自分として言いたいことはただ1つ。理1ドイ語男子はどこへ行ってしまったのか。確かに他の科類と比較すれば、今でもドイツ語比率は高い方なのですが、ドイ語男子がもっといたような気がします。最初と最後にも書いていますが、こういう状況を京大理学部男子とかと比べるような材料がどこかから湧いてこないこないかなあ、ということで今回エクセルでまとめてみたわけですが。

理2は、あまり知り合いがいなかったので、数値言及以上の感想を述べるのも失礼なのですが、スぺ語が多いようです。理2はもう少し女子比率が高かったような気もするのですが、そうでもなかったようです。女子比率は数十年前からの資料が各所にあったので、いつか記憶との比較検証をしてみたいところです。

理3については、今まで挙げてきた4語が均衡していますが、やはり日本で医学を学ぶ以上ドイツ語に興味がある人が多いようです。医者になるのであれば、スペイン語とかフランス語をどう使うのか、をイメージしづらいことでドイツ語比率が高くなっているのかもしれません。当時知り合いだった理3の方(2人しかいませんでしたが)はドイツ語だったような気もする。

 

全科類の状況

今までのを足しただけですが、全体としては以下の通りです。

ただ集計中ところどころ数式ミスが見つかったので、比率や合計数は間違っているかも・・・。

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文類については、中国、スペイン、フランスが拮抗している感じです。

理類は、スペインが頭一つ抜けていますが、理2のスペイン語率を理1の人数が多いことで抑制されている感じです。

かつて東大生だった者としては、中国語は就職後の実利、スペイン語は単位の楽さという学生時代の実利、ドイツ語、フランス語が昔ながらの学問的興味、それ以外は個人的なマニア的趣味の世界、というところのような気がします。もちろん個人の感想です。

 

終わりに

最初にも書きましたが、20年後くらいの東大生がこれを発見してくれて、今の二外選択はこんな状況とか、他大学の方がうちはこんな状況とか将来記事にしてくれると、自分の老後の楽しみができますので、そのころまではてなブログが続いていますように。

京都大学の選択傾向とか、単科大学や女子大の選択傾向とかと、数値で比較できたら、面白いような気もします。

東京大学新聞社の東大XXXXですが、2017以前は科類ごとの人数は掲載されていないようです(2017、2016、2000、99くらいしか見ていませんが、民法のルールでそれだけ見ていることで、99-2017までは未掲載の推認がなされています)。

あと、最近の科類紹介では、文1に激震が走りすぎです。

 

追記(2020/05/31)

cr0226.hatenadiary.org

科類ごとの傾向について、今更ながら補足をしました。